オープンアクセス

オープンアクセスとは

オープンアクセス(Open Access: OA)とは、論文等の研究成果を誰でもインターネットで、時間や場所の制約なく無料でアクセスし入手できるようにすることです。

学術論文等のオープンアクセス(OA)化の方法

査読付きの学術雑誌等に掲載された論文のオープンアクセス(OA)化の主な方法として、電子ジャーナル掲載論文そのものをOA化する「ゴールドOA」と、機関リポジトリ等で論文をOA化する「グリーンOA」の2つの方法があります。

ゴールドOA

学術雑誌に、著者が論文掲載料(Article Processing Charge: APC)という費用を支払うことによって出版費用をまかない、電子ジャーナル掲載論文をOA化します。電子ジャーナル購読料とAPCがセットになった機関契約(転換契約)をすることによって、OA出版の拡大を目指す動きもあります。なお、学術機関などの非営利出版者の場合、論文掲載料を請求せずにOA公開する電子ジャーナルもあります。
※APC支払いを財務会計システムへご入力の際は「APC支払いにかかる財務会計システムへの入力について(依頼)」をご参照ください。

附属図書館では、転換契約等による「APC支援(学内限定ページ)」を行っています。

グリーンOA

著者が自らの論文を機関リポジトリや、その他のリポジトリでインターネット公開してOA化します。査読付きの学術雑誌等に掲載された論文では、出版社に著作権を譲渡契約されることが多いため、グリーンOA化には出版社による条件(出版された版ではなく原稿に限る、公開まで禁止期間があるなど)が設定されている場合があります。

附属図書館では、静岡大学の機関リポジトリ「静岡大学学術リポジトリ(SURE)」を運用しています。教職員向け「静岡大学学術リポジトリ(SURE)について」では登録方法等を説明しています。

学術論文等の即時オープンアクセス義務化

2023年10月に公表された総合科学技術・イノベーション会議有識者議員懇談会の「公的資金による学術論文等のオープンアクセスの実現に向けた基本的な考え方」(内閣府)を受けて、「基本方針」や「具体的方策」が示されています。詳細は次の資料をご覧ください。

即時OA義務化の対象となる公的助成

2025年度から新たに公募を行う以下の表の競争的研究費制度

日本学術振興会 (JSPS) 科学研究費助成事業
科学技術振興機構 (JST) 戦略的創造研究推進事業(一部を除く)
日本医療研究開発機構 (AMED) 戦略的創造研究推進事業
科学技術振興機構 (JST) 創発的研究支援事業

即時OA義務化の対応方法

上記の対象研究費を受給した研究者は、電子ジャーナルに掲載された次の研究成果を電子ジャーナル上でオープンアクセス(ゴールドOA)化したり、機関リポジトリ等によりオープンアクセス(グリーンOA)化することになります。

学術論文
電子ジャーナルに掲載された査読済みの研究論文(査読のない論文や、電子ジャーナルに掲載されていない論文は含まない)
根拠データ
掲載電子ジャーナルの執筆要領、出版規程等において、透明性や再現性確保の観点から必要とされ、公表が求められる研究データ(Supplemental Data等の公表を前提としているデータで、従来公開していなかった研究データの公開を新たに求めるものではない)

2025年度新規公募から、対象となる競争的研究費の受給者は、該当する競争的研究費による査読付き電子ジャーナルへの学術論文及び根拠データの掲載について、即時(目安として学術雑誌への掲載(早期公開された場合はその時点)から3か月程度)に機関リポジトリ等の情報基盤への掲載が義務づけられます。掲載する学術論文及び根拠データは、出版社版又は著者最終稿に該当するものとされています。出版社や雑誌のポリシーで即時オープンアクセスが困難な場合には、受給者が実績報告の際に、即時オープンアクセスが困難な理由を報告します。なお、即時オープンアクセスが困難な理由が解消された場合は、速やかに機関リポジトリ等の情報基盤への掲載を行うものとされています。

機関リポジトリ等の掲載に際して出版社が「出版された版ではなく原稿に限る」条件を付している場合、著者は査読済み著者原稿(著者最終稿: Accepted manuscript)を機関リポジトリ等で公開します。また、出版社により公開禁止期間(エンバーゴ: embargo)が規定されている場合は、その間の公開延期が認められています。

機関リポジトリ等の情報基盤

(機関リポジトリへの掲載)と(機関リポジトリ以外の情報基盤への掲載)の方法があります。所属機関のリポジトリへの掲載により公開をすることを原則としつつ、資金配分機関への実績報告に識別子(DOIあるいはそのほかのPID(永続的識別子))を記載するなど、NII RDC上で学術論文及び根拠データを検索可能になれば、他のプラットフォームで公開することも可能です。具体的な方法は、研究代表者の統括の下で適切に行ってください。(複数の方法を妨げるものではない)

 (機関リポジトリへの掲載)
  • 対象競争的研究費の受給者は、所属する機関において機関リポジトリが整備されている場合は、原則として、当該機関リポジトリにおいて学術論文及び根拠データを掲載します。静岡大学所属研究者は、原則として、「静岡大学学術リポジトリ」に掲載します。登録・公開方法はこちら
 (機関リポジトリ以外の情報基盤への掲載)

以下の場合は、受給者が、学術論文及び根拠データを「機関リポジトリ等の情報基盤」に掲載したものとみなされます。「NII RDC上で検索可能」とは、NII RDCの検索基盤であるCiNii Researchで検索可能であることを指します。

  • NII RDC上で学術論文及び根拠データを検索可能である分野別リポジトリ等に掲載した場合
    ※CiNii Research収録データベース一覧はこちら
  • NII RDC上で学術論文及び根拠データが検索できないプラットフォームに掲載した際に、資金配分機関への実績報告に学術論文及び根拠データの識別子を記載し、資金配分機関の研究課題データベース等を通じて、NII RDC上で学術論文及び根拠データを検索可能とした場合
    ※CiNii Research収録対象以外のプラットフォームに掲載した場合、例えば科研費であれば、実績報告書に記載した内容はKAKEN(科学研究費助成事業)データベースを通じてCiNii Researchで検索可能となる
  • Jxivや科学技術振興機構(JST)が開発するリポジトリ((仮称)GRANTS Data)に学術論文及び根拠データを掲載した場合
  • 学術出版社等の電子ジャーナル上で学術論文及び根拠データを即時オープンアクセスとした際に、資金配分機関への実績報告に学術論文及び根拠データの識別子を記載し、資金配分機関の研究課題データベース等を通じて、NII RDC上で学術論文及び根拠データを検索可能とした場合
    ※ゴールドOAとした場合
  • その他の手段により、NII RDC上で学術論文及び根拠データを検索可能とした場合