館長室から

静岡大学附属図書館長 小林 健二
小林 健二
〈巻頭言〉学びと好奇心と探究心を支えてくれる場:附属図書館
「図書館通信」No.178 (2026. 4)

 2026年度、静岡大学では2,023名の学部新入生を迎えることができました。皆さんのご入学を心より歓迎いたします。静岡大学は、前身の静岡師範学校の創設から昨年で150年を迎え、また、テレビジョン技術の開発に絶大な貢献をされた高柳健次郎先生(静岡師範学校卒、本学前身の浜松高等工業学校助教授〈当時〉、本学名誉博士)が世界で初めて「イ」の字の受像に成功して今年で100年となりました。これら節目の年に静岡大学に入学された皆さんの大学生活が実り多いものになっていくことを願っています。
 静岡県には日本一高い富士山と日本一深い駿河湾があります。静岡県は気候穏やかな土地柄で、徳川家康は、浜松を立身出世の地とし、駿府(静岡)を終の棲家としました。静岡市には、家康が好んだ鷹狩りに因んだ「鷹匠」や、江戸初期の小判は家康お膝元の駿河で作られていたことから「金座」など、家康ゆかりの地名が多く残されています。また、日本書紀や古事記に現れる日本武尊(倭建命)と縁の深い日本平からの眺望は、昔はときとして極楽浄土と見做されたそうです。手前の駿河湾と昔は島だった三保半島が極楽浄土の宝池、愛鷹山(あしたかやま)が借景、そして、富士山が阿弥陀如来の住む極楽浄土を表すそうです。富士山は、「信仰の対象と芸術の源泉」としての価値が認められ、世界自然遺産ではなく、世界文化遺産として登録されています。「一富士二鷹三茄子」。このことわざの由来は諸説あり、徳川家康が、大好物の初茄子(初物の三保の折戸茄子)の値段がとても高かったため、「まず一に高きは富士なり、その次は愛鷹山なり、その次は初茄子」と言ったという説や、正月に見る初夢の縁起のよい順に並べて言う駿河のことわざという説もあります。「一富士二鷹三茄子」は極楽浄土を表す家康の洒落ではなかったか、と思うのは私だけでしょうか?
 さて、皆さんは学部・学科に所属して、これから卒業までの4年間(大学院に進学すればさらに2ないし5年間)、一般教養科目や専門基礎科目から始まって学年進行につれて専門科目を学んでいくわけですが、大学にはもう一つ皆さんの学びと好奇心と探究心を支えてくれる場として大学附属図書館があります。静岡大学が掲げる「自由啓発・未来創成」の理念を育む場の一つでもあります。
 静岡大学には、静岡本館には約88万冊、浜松分館には約31万冊の図書があり、そのほかにも雑誌や新聞などがあります。閲覧室にある開架資料はみなさんが自由に手に取って読むことができ、書庫の中にある多くの資料も利用できます。附属図書館には、読書や勉強ができる閲覧席のほかにも、一人静かに勉強したい人のための個人ブース、パソコンを使いながら資料などを広げて作業しやすいPCワークエリア、会話ができる部屋で机や椅子を自由に移動できグループ討論などにも利用できるハーベストルームなどもあります。また、新聞エリアには当日ならびに過去2ヶ月分の新聞があり、確かな情報に基づいて社会や生活のニュースや世界の情勢をキャッチする有効なツールとして就職活動にも役立ちます。
 附属図書館には様々な分野の基礎からアドバンス的な学習図書に加え学術図書(専門書)も豊富にあります。ですから、自らの意思で多岐(他分野)に渡って深く学んで行くことも可能です。そして、異分野の人たちとのディスカッションを通して専門分野の垣根を越えた学際領域が生まれ、新しい発見が生まれるかもしれません。また、静岡本館の5階には一人用の閲覧席が並んでいて、窓側にはソファがあり、駿河湾を一望できます。ゆったりとした時間の中で読書や思索に耽ることは大学生の特権です。
 また、附属図書館では、自分のノートパソコンやスマートフォンを静岡大学のWi-Fiに接続することができ、電子ジャーナルやデータベース、電子ブックを使うこともできます。静大のMicrosoft365アカウントでログインすれば自宅から使えるものもたくさんあります。電子ジャーナルやデータベースによって、世界の最新および過去の学術研究論文を読んだり調査することもできます。
 新入生の皆さん、ぜひ静岡大学附属図書館に足を運んでみてください。そして、附属図書館のホームページをぜひ覗いてみてください。

(巻頭言) インターネットと社会
「静岡県大学図書館協議会会報」No.27 (2026. 3)

 インターネットは、世界中のコンピュータや情報機器をつなぐ巨大なネットワークインフラです。この30年あまりの進化はすさまじく、Webサイト、電子メール、SNS、ストリーミングなど、現代の生活や仕事に不可欠な社会基盤になっています。
 みなさんも、いつでもどこでも見たいとき知りたいときにインターネットを使って様々なWebサイトを利用していると思います。図書館でいえば、必要な蔵書や文献を、所属の大学図書館だけでなく日本中の(または海外も含めた)図書館のどこにあるかを簡単に調べたり、取り寄せたりすることができます。
 学術論文は、約20年前から紙媒体から電子ジャーナルに順次移行しました。学術論文の電子ジャーナル化は、パソコンさえあれば書架スペースが節約できます!電子ジャーナルの最大のメリットとして、図書館が様々な出版社と電子ジャーナル契約を結んでいれば、最新の論文や、論文に記載の引用文献を即座に読むことができ、孫引きも可能であることが挙げられます。データベースとの併用で、関連分野の論文を短時間のうちに収集できます。学術論文の電子ジャーナルは、今や研究のインフラとして研究を支えています。一方で、学術出版社との電子ジャーナル契約料は年を追うごとに値上がりの一途を辿り、大学の予算を非常に圧迫するようになりました。現在、内閣府などが支援する学術出版社との集団交渉体制が構築されつつあり、成功を祈るばかりです。
 辞書の進歩も目を見張るものがあります。個人的には、一つの単語検索時に周辺にある他の単語も同時に目に飛び込んでくる紙媒体の方が好きでした。しかし、今では辞書Webサイトの内容や機能も飛躍的に進歩し、論文を書くうえで重要なツールになっています。また、AI技術の発達で、翻訳ツールも格段に進歩しています。
 最近、浦安の某テーマパークでは、園内マップはスマホのみとのこと。紙の園内マップは、情報量が少ない反面、全体を一瞬で俯瞰できるのに残念です。
 Eメールも便利ですね。パソコンやスマホで文章・画像・ファイルを24時間いつでも瞬時に送受信でき、個人やビジネスのコミュニケーション、データ共有に不可欠な手段になっています。しかし、文字を打つことが習慣化してしまい、しばしば漢字を忘れて書けないこともあります。
 私たちはインターネットと上手く付き合う必要を感じる今日この頃です。あのアメリカ映画のように、100年後AIとコンピュータが人間社会を支配する時代が来ないとも限りません。

(巻頭言) 多角的に知る・学ぶ・創造する場としての図書館
「図書館通信」No.177 (2025. 5)

 2025年度、静岡大学では2,013名の学部新入生を迎えることができました。皆さんのご入学を心より歓迎いたします。静岡大学は、前身の静岡師範学校の創設から今年で150年、新制国立大学として創設され昨年75周年を迎えました。また、テレビジョン技術の開発に絶大な貢献をされた高柳健次郎先生(静岡師範学校卒、本学前身の浜松高等工業学校助教授〈当時〉、本学名誉博士)が世界で初めて「イ」の字の受像に成功して来年で100年となります。これら節目の年に静岡大学に入学された皆さんの大学生活が実り多いものになっていくことを願っています。
 静岡県には日本一高い富士山と日本一深い駿河湾があり、とても自然に恵まれています。静岡県は、西部には汽水湖とうなぎで有名な浜名湖、中部には駿河湾と静岡茶発祥の地の本山、東部・伊豆には駿河湾と富士山と伊豆半島があります。静岡県はとても気候穏やかで、比較的冬は暖かく夏は涼しい土地柄で、徳川家康は、浜松を立身出世の地とし、駿府(静岡)を終の棲家としました。静岡市には、鷹匠や金座など家康ゆかりの地名が多く残されています。
 さて、皆さんは学部・学科に所属して、これから卒業までの4年間(大学院に進学すればさらに2ないし5年間)、一般教養科目や専門基礎科目から始まって学年進行につれて専門科目を学んでいくわけですが、大学にはもう一つ皆さんの学びと好奇心と探究心を支えてくれる場として大学附属図書館があります。
 静岡大学には、静岡本館には約88万冊、浜松分館には約31万冊の図書があり、そのほかにも雑誌や新聞などがあります。閲覧室にある開架資料はみなさんが自由に手に取って読むことができ、書庫の中にある多くの資料も利用できます。附属図書館には、読書や勉強ができる閲覧席のほかにも、一人静かに勉強したい人のための個人ブース、パソコンを使いながら資料などを広げて作業しやすいPCワークエリア、会話ができる部屋で机や椅子を自由に移動できグループ討論などにも利用できるハーベストルームなどもあります。また、新聞エリアには当日の新聞および過去2ヶ月分の新聞があります。新聞は、確かな情報に基づいて社会や生活のニュースや世界の情勢をキャッチする有効なツールとして就職活動にも役立ちます。
 附属図書館には様々な分野の基礎からアドバンス的な学習図書に加え学術図書(専門書)も豊富にあります。ですから、自らの意思で多岐(他分野)に渡って深く学んで行くことも可能です。そして、異分野の人たちとのディスカッションを通して専門分野の垣根を越えた学際領域が生まれ、新しい発見が生まれるかもしれません。また、静岡本館の5階には一人用の閲覧席が並んでいて、窓側にはソファがあり、駿河湾を一望できます。ゆったりとした時間の中で読書や思索に耽ることは大学生の特権です。
 附属図書館では、自分のノートパソコンやスマートフォンを静岡大学のWi-Fiに接続することができ、電子ジャーナルや電子ブック、データベースを使うことができます。静大のMicrosoft365アカウントでログインすれば自宅から使えるものもたくさんあります。電子ジャーナルやデータベースによって、世界の最新および過去の学術研究論文を読んだり調査することができます。これらは世界を相手に奮闘する教員ならびに大学院生の研究の生命線・インフラとして必須アイテムです。
 新入生の皆さん、ぜひ静岡大学附属図書館に足を運んでみてください。そして、附属図書館のホームページをぜひ覗いてみてください。

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