2025年度、静岡大学では2,013名の学部新入生を迎えることができました。皆さんのご入学を心より歓迎いたします。静岡大学は、前身の静岡師範学校の創設から今年で150年、新制国立大学として創設され昨年75周年を迎えました。また、テレビジョン技術の開発に絶大な貢献をされた高柳健次郎先生(静岡師範学校卒、本学前身の浜松高等工業学校助教授〈当時〉、本学名誉博士)が世界で初めて「イ」の字の受像に成功して来年で100年となります。これら節目の年に静岡大学に入学された皆さんの大学生活が実り多いものになっていくことを願っています。
静岡県には日本一高い富士山と日本一深い駿河湾があり、とても自然に恵まれています。静岡県は、西部には汽水湖とうなぎで有名な浜名湖、中部には駿河湾と静岡茶発祥の地の本山、東部・伊豆には駿河湾と富士山と伊豆半島があります。静岡県はとても気候穏やかで、比較的冬は暖かく夏は涼しい土地柄で、徳川家康は、浜松を立身出世の地とし、駿府(静岡)を終の棲家としました。静岡市には、鷹匠や金座など家康ゆかりの地名が多く残されています。
さて、皆さんは学部・学科に所属して、これから卒業までの4年間(大学院に進学すればさらに2ないし5年間)、一般教養科目や専門基礎科目から始まって学年進行につれて専門科目を学んでいくわけですが、大学にはもう一つ皆さんの学びと好奇心と探究心を支えてくれる場として大学附属図書館があります。
静岡大学には、静岡本館には約88万冊、浜松分館には約31万冊の図書があり、そのほかにも雑誌や新聞などがあります。閲覧室にある開架資料はみなさんが自由に手に取って読むことができ、書庫の中にある多くの資料も利用できます。附属図書館には、読書や勉強ができる閲覧席のほかにも、一人静かに勉強したい人のための個人ブース、パソコンを使いながら資料などを広げて作業しやすいPCワークエリア、会話ができる部屋で机や椅子を自由に移動できグループ討論などにも利用できるハーベストルームなどもあります。また、新聞エリアには当日の新聞および過去2ヶ月分の新聞があります。新聞は、確かな情報に基づいて社会や生活のニュースや世界の情勢をキャッチする有効なツールとして就職活動にも役立ちます。
附属図書館には様々な分野の基礎からアドバンス的な学習図書に加え学術図書(専門書)も豊富にあります。ですから、自らの意思で多岐(他分野)に渡って深く学んで行くことも可能です。そして、異分野の人たちとのディスカッションを通して専門分野の垣根を越えた学際領域が生まれ、新しい発見が生まれるかもしれません。また、静岡本館の5階には一人用の閲覧席が並んでいて、窓側にはソファがあり、駿河湾を一望できます。ゆったりとした時間の中で読書や思索に耽ることは大学生の特権です。
附属図書館では、自分のノートパソコンやスマートフォンを静岡大学のWi-Fiに接続することができ、電子ジャーナルや電子ブック、データベースを使うことができます。静大のMicrosoft365アカウントでログインすれば自宅から使えるものもたくさんあります。電子ジャーナルやデータベースによって、世界の最新および過去の学術研究論文を読んだり調査することができます。これらは世界を相手に奮闘する教員ならびに大学院生の研究の生命線・インフラとして必須アイテムです。
新入生の皆さん、ぜひ静岡大学附属図書館に足を運んでみてください。そして、附属図書館のホームページをぜひ覗いてみてください。
館長室から
静岡大学附属図書館長 小林 健二

(巻頭言) 多角的に知る・学ぶ・創造する場としての図書館
「図書館通信」No.177 (2025. 5)